パソコンのある風景|パソコンスクール庚壬塾(こうしんじゅく)

筑紫野市、小郡市のパソコンスクール庚壬塾(こうしんじゅく)塾長のブログ

学問・資格

人生を豊かにするために学ぶ

2017/08/29

授業を通して、人に何かを伝える、という仕事をしてきて、30年以上たってしまいました。
最初の14年間は中学生や高校生を対象に。そしてそのあとは大人を対象に。
授業をする対象や内容が変わっただけで、授業の本質は変わらないと思うことがあります。
未成年の子供たちを相手にしていたころ、「これを学ぶことは将来、何かの役に立つか」という問いを幾度となく、受けていました。
私は国語科でしたが、きっと社会科や数学の先生のほうがこの種の問いは多かったでしょうね。私も「過去の歴史を学ぶことにそれほど意味があるのか」、と、当時社会科や国語を教えていた父に、何度も尋ねたことがあります。その時は父の答えに納得できなかったけれど、今は、歴史を学ぶ意義も理解していると思いますし、歴史そのものが大好きにもなって、歴史を扱った小説やドラマもよくみます。
実は、パソコンを授業している今も、同様のことを尋ねられることがあります。ちょっと言い方は違っていますが、「こんなのは、今の仕事には使わないですね~、必要ないかなぁ」と。
受講相談に来られる方とお話ししていると、やっぱり、明日役立つ機能を知ればそれでよい、という方も多いのは確かです。今実際にお仕事の現場で困っておられるのですから、まずはそこを解決したい、そういうご希望は当然のことです。私どももなんとかそこはスピーディーに解決していただける道をご提案しています。
 
考えてみたら、私たちは、学生の頃は、「試験でよい点を取るために」学び、「志望校に合格する」ために学び、「卒業するために」学び、「よい就職先に合格するために」学び・・・、の連続でした。
そして就職してからは、「仕事に役立てるために」学びました。心理学の本や、授業法や学級経営のハウツー本もたくさん読みましたし、先輩の先生に幾度もお話を聞いたりしました。
私の人生も、「明日役立つ知識」を追い求めることのほうが多かったかもしれません。
しかし、明日役立つ知識だけを学ぶのは、読書でいえば「ハウツー本」だけを読んでいるようなもの。当然のことながら、私は、ハウツー本だけを読んだ仕事の取り組みはうまくいきませんでした。ハウツー本はしょせん、付け焼刃。そのノウハウが生まれた背景や、系統だった勉強をしていませんから、応用もきかないし、自分なりの考えやアイディアがうまれるべくもありません。
一方、読書によって自分の人生を末永く豊かにする秘訣は、「本を読む」ということそのものを楽しむことです。
ジャンルを問わず、文章の内容に自分をゆだねて、どっぷりと読書をする時間を楽しむことです。新しい知識や感性が自分の中に増えていくことを楽しめるようになれば、際限なく自分の世界が広がって、思いがけないところで、新しい発想が生まれたり、人生に感動することが増えてきますよね。
パソコンに関してはどうしても「ハウツー」を知りたい、と思われる方が多いのは納得していますが、私はもっと、新しい知識を習得している時間そのものを楽しんでいただきたいなぁ、という思いで今の教室を運営しています。
先日、誕生日に、あるお客様からメッセージカードをいただきました。そこにこんな言葉が書いてあって、とてもうれしかったのでご紹介します。
「いつも、アットホームな雰囲気の中で勉強できてうれしいです。日々、学ぶことの楽しみが、これからも続けられるよう、通いたいと思っています。~後略~」
仕事で活用されるために習い始めた方ですが、今ではもうとっくにその目的は達せられた方です。北九州に引っ越しをされたので、今は片道1時間半くらいかかられていると思いますが、高速道路を使ってでも通っていただけていることに、私のほうが感謝しているところです。
「明日役立てる」ために学ぶ、受験のために学ぶ、そういう段階を過ぎたら、今度は、ぜひ、「自分を豊かにする」ために、「人生を豊かにするために」学ぶ段階へ進んでみると、新しい世界がもっと広がるかもしれません。

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