パソコンのある風景|パソコンスクール庚壬塾(こうしんじゅく)

筑紫野市、小郡市のパソコンスクール庚壬塾(こうしんじゅく)塾長のブログ

日記・コラム・つぶやき

何を教えるか

私がまだ教壇に立っていたころの話。当時は国語を教えていました。
 あるクラスで、私語の多さを叱ったところ、面と向かって反発してきた生徒がありました。自分の指導力の不足であるのは間違いありませんでしたが、それでも私はその生徒を黙らせるために授業の数十分を費やしました。そうしなければ教師としての尊厳が保てないと思っていたのです。黙らせたのはいいものの、それ以降もその生徒は私に対して決して素直な態度をとることはありませんでした。
 そんなある日、思い立って、パソコン教室で国語の授業をやってみました。文学史のレポートをインターネットから資料を探して作る、というもの。前からあたためていた実践でした。
 例の生徒が選んだテーマは、赤川次郎。ホームページの三毛猫の画像を自分の資料に貼り付けようとして、四苦八苦している彼女に、横からちょっとだけ、助け舟を出しました。手を払いのけられるのを覚悟して。
 ところがその時、彼女の口から発せられた言葉に、私は自分の耳を疑いました。「先生、ありがとう」そう言ったのです。ごく自然に・・・。
 教壇で偉そうに、黙らせるために説教した私に対する態度と、こうして、自分が本当に知りたいことを手助けして教えた私に対する態度、彼女のこの態度の差は、じっくり考えればとても納得のいく、理にかなったものであるようにも思えました。
 この経験から得た教訓はそのまま現在の庚壬塾パソコンスクールの原点でもあります。
 教える側の都合や、効率のよさだけを追求する教室ではなく、お客様が本当に知りたいことを手助けできる、そんな教室を作りたい、と思ったのも、この経験があったからです。
 私がその生徒にとても感謝していることも今は伝えるすべがありませんが、もしかしたら、不思議なめぐり合わせで、ここを訪れてくれるかもしれません。もし読んで、自分のことだ、と思ったらメール下さい、待ってますね(笑)

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