プロになるわけじゃないから
友人が、ご両親にタイピングの指使いを少しレクチャーしようとしたら、こんな言葉が返ってきたそうです。
友人としては、ご両親が夜中までパソコンに向かい、一本指で文字入力の練習をされているのを見かねて、少しでも楽になるように、との思いで申し出たことでしたが、どうやらうまくいかなかったようです。
「夜中まできちんとした指使いの練習をしてくれたら、もうとっくにできるようになってるのになぁ」と、友人は嘆くことしきりでした。
タイピングに関しては、確かにこのような誤解が多い気がします。つまり、プロになる人たちだけが、身につければよい技術だと思われているのですね。
ところが実際はまったく逆です。趣味でパソコンをさわられる方は、できるだけ、文字入力に使う労力を少なく、そして気軽に楽しめるようになることが大切です。特に高齢の方は、目にも負担がかからないようにする必要がありますよね。
だからこそ、まず最初に、タッチタイピングの技術を習得することが必要なのです。
でも、このように話すと、インストラクタの経験がある人ですら、「高齢の方には無理でしょう」とおっしゃる方があります。年齢によって習得できない世代がある、と思われているのでしょう。
私は決してそうは思いません。確かに年齢によって習得スピードに若干の差はありますが、それも数時間の差です。インストラクタがお客様の可能性を信じることができないのではどうにもなりません。
実際に、当スクールでは、幼稚園から八〇代の方まで、(ご本人が強く拒否された場合をのぞいて)ほとんど全員の方に、タッチタイピングを習得していただいています。
おそらく、ほかのどのスクールより、中高年の方のタッチタイピング習得率は高いと思います。以前、他スクールのインストラクタの方が当教室を見学された際、ちょうど七十代の方が悠々とタッチタイピングをされているところをご覧になり、目を丸くされていました。
この成果は、毎日新聞社主催「パソコン入力コンクール」の結果でも証明されています。当スクールからは、中学生部門で1名、シニア部門で、3名の方が成績上位者としてWEB上に氏名を掲載されました。シニア部門は20名までが氏名を掲載されていますが、実は21番目の方も当スクールの方でした。
シニア部門の成績優秀者名簿はこちらhttp://www.maipaso.net/top/kekka/0502w/part6_3.html
タイピングが軽やかにできれば、メールのやりとりも楽しめるし、デジカメ片手に旅行に出かけて旅行記を書く楽しみも生まれます。パソコンは、タイピングができれば可能性がどんどん広がるのです。
タイピングの練習は、慣れないうちは力が入って腕が痛くなることもあります。入会されたばかりの方は、思いがけない苦行を強いられ、きっと戸惑われている方も多いと思います。しかし、数時間、おつきあいいただけば、文字の入力はずっと楽になり、きっと、パソコンに向かう自信がついてくることでしょう。それに、何より十本の指をくまなく使うことは健康にもとてもよいといわれています。
「プロになるわけじゃないから」こそ、必要なタッチタイピングの技術。
庚壬塾では、これからも、より多くの方に、パソコンも、人生も、心から楽しんでいただくために、「タッチタイピング」の習得を提唱し、もっと楽に習得していただけるノウハウを研究し続けていきたいと思います。